会社の書類のPDFを1つにまとめる|「Windows標準でできる」は誤りです

会社の書類のPDFを1つにまとめる|「Windows標準でできる」は誤りです
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この記事に出てくる用語
  • 結合 … 複数のPDFを1つのPDFにまとめること
  • Microsoft Print to PDF … Windows標準の印刷先の1つ。紙の代わりにPDFとして保存する

結論:Windowsの標準機能ではまとめられません

Windowsに最初から入っている機能に、複数のPDFを1つにまとめるものはありません。
「ソフトを入れずに標準機能だけでできる」と書く記事もありますが、指すのは Microsoft Print to PDF で、これはPDFを作る機能です。

つまり何かしらの道具を選ぶことになります。
会社の書類なら、基準は1つです。

そのファイルが、どこで処理されるか。

「ブラウザで開くものは社外に送る、パソコンに入れるものは送らない」という分け方は成り立ちません。
ブラウザで開くのにファイルを送らない道具があります。

最初にやることは、新しい道具を探すことではありません。
会社のパソコンに既に入っているPDFのソフトを確認することです。

やりたいことWindowsに最初から入っている機能で
WordやWebページをPDFにするできます
15枚までの画像を1つのPDFにまとめるできます(手順は後の見出しに)
複数のPDFファイルを1つにまとめるできません

まず試すこと

1. 会社のパソコンに既に入っているPDFのソフトを見る

社内で承認済みなら、使ってよいか迷わずに済みます。

入っているソフトの探し方

  • スタートボタンを押して「PDF」と入力し、出てきたソフトを開く
  • スタートメニューのアプリ一覧も上から眺める(名前に「PDF」が入らないソフトは、この検索では出ないため)
  • 開いたソフトのメニューに「結合」「まとめる」に当たる項目があるかを探す

見つかったら、その項目を開きます。
そのあとは、ソフトが違ってもたいてい同じです。

結合の項目を開いたあとにやること

  1. まとめたいファイルを追加する … [ファイルを選択][挿入]に当たるボタンから選びます(ブラウザで開いて使うものは、画面にドラッグして落とすこともできます)
  2. 並び順を直す … 送りたい順と違っていたら、ファイルやページをドラッグして入れ替えます([前へ][後へ]のようなボタンが付いているものもあります)
  3. 保存する … パソコンに入れて使うものは[名前を付けて保存]。ブラウザで開いて使うものは、[結合開始][PDFを作成]に当たるボタンを押してから、[ダウンロード]に当たるボタンを押します

できたPDFのページ数が、まとめる前の合計と同じで、順番も合っていれば成功です。
順番が違っていたら、並べ直してもう一度保存します。

探し方を両方やっても結合の項目が見つからなければ、次へ進みます。

2. 情報システム担当に聞く

聞き方は「PDFを1つにまとめたい。使ってよいソフトはあるか」で足ります。
決まっていれば、この一手で終わります。
決まっていない、担当がいないときだけ、この先を読んでください。

元が画像なら、15枚までは標準機能でまとめられます

元がPDFファイルなら、この節は飛ばして次の見出しへ。

画像を1つのPDFにする手順

  1. エクスプローラーで、まとめたい画像ファイルを選ぶ(15枚まで)
  2. 選んだファイルの上で右クリックし、[その他のオプションを確認]→[印刷]を押す(Windows 10 では右クリックのメニューに[印刷]が直接あります)
  3. [プリンター]の欄で[Microsoft Print to PDF]を選ぶ
  4. 画面右側のレイアウト一覧から[フルページ写真](1枚の用紙に1枚だけ印刷するレイアウト。一覧の先頭にあります)を選ぶ
  5. [写真をフレームに合わせる]にチェックが入っていたら外す
  6. [印刷]を押すと保存先を聞かれるので、名前を付けて保存する

手順2で[印刷]が無いときは、まず枚数を確かめます。
16枚以上を選んでいると[印刷]は出ません。
15枚を超えると消えるのは、Windows 10 向けの解説にある仕様です。
変えるにはレジストリという設定領域を書き換えることになるので、会社のパソコンでは触らないでください。

手順4を飛ばすと、1ページに複数枚が並ぶことがあります。
手順5のチェックが入ったままだと、画像が用紙に合わせて拡大され、四辺の端が切られます。
スキャンした書類だと、はしの文字が欠けます。

並び順はエクスプローラーで並んでいる順です。
思った順にならないときは、ファイル名の先頭に 01_ 02_ と番号を付けて選び直します。

保存したPDFを開いて、枚数とページ数が合い、端が切れていなければ成功です。

情報が食い違う場所

社内に使ってよいものが無ければ、自分で1つ選ぶことになります。
そのとき読む情報は食い違います。

食い違い1:同じ機能が、できる証拠にも、できない証拠にも使われている

Microsoft Print to PDF は結合の機能ではない、と明記している記事があります(sakuttoAI/Meerock株式会社)。
一方で、同じ機能を「ソフトを入れずにできる方法」として挙げる記事もあります。

会社のパソコンではソフトを入れられないことがあり、そういう人ほど後者にたどり着きます。
書いてある手順どおりに操作しても、1つにはまとまりません。

食い違い2:「安全」の中身が、書き手によって違う

「安全」と言っている人その人が指している中身
道具を提供する会社通信が暗号化されている。一定の時間で削除される
会社の書類を扱う人そもそも社外に出さない

どちらも嘘ではありませんが、別のことを言っています。
暗号化されていても、ファイルが会社の外のサーバーに渡った事実は変わりません。
社内の決まりで問題になるのは、たいてい後者のほうです。

公式ページには何が書かれているか

ここから読む3つは、公式ページの書き方の見本です。
どこで処理されるかがどう書かれているかを見て、最後に候補を絞ります。

送ると書いているもの

PDF24 のFAQに、次の記述があります。

すべてのファイルは処理後1時間後には自動的に処理サーバーから削除されます。

すべてのファイル転送は暗号化されます

ファイルはサーバーへ送られます。
これは食い違い2の表の上の行にあたる書き方です。

送らないと書いているもの

同じくブラウザで開く道具(sakuttoAI)ですが、記述は逆です。

本ツールではお客様のPDFファイルをサーバーに送信しません。すべての処理がお使いのブラウザ内で完結します。

ただし、書いてあること自体は、その会社の自己申告のままです。
だから最後は、社内の決まりの確認になります。

パソコンに入れて使うもの

CubePDF Utility の公式ページに次の記述があります。

スタンドアローンなアプリケーションのためネットワーク接続を必要せず

(引用は原文のままです)

「スタンドアローン」は、他のサービスとつながらず、そのパソコンの中だけで動くという意味です。
個人・法人を問わず永久無料で、商用利用の制限もないとあります。

ただし会社のパソコンで使うなら、同じページの次の条件も読んでおきます。

  • インストーラーとアンインストール方法の案内があり、入れて使うソフトである
  • 動作環境に「.NET Framework 3.5 以降が必要となります(4.7 以降を強く推奨)」とある
  • ダウンロードボタンを押すと広告が表示され、視聴後にダウンロードが始まる。広告を除いたインストーラーは有償

2つ目の「.NET Framework」は、ソフトを動かすための土台で、自分で確かめなくて構いません。
Microsoftの案内では Windows 11(23H2以降)に 4.8.1、Windows 10 22H2 に 4.8 が入っています。
4.7 を下回るのは 2016年8月までの Windows 10 だけなので、いまのパソコンなら満たしています。

引っかかるのは1つ目と3つ目、ソフトを入れてよいかどうかのほうです。

自分の状況から絞る

ここまで読んだ3つを、そのまま候補にして構いません。
ただし、この中の1つを勧めているわけではありません。

状況から候補を絞る

  • 社外に出してはいけない書類がある … 「サーバーに送信しません」に当たる記述があるもの、またはパソコンに入れて使うもの
  • 会社のパソコンにソフトを入れられない … ブラウザで開いて使うもののうち、「サーバーに送信しません」に当たる記述があるもの
  • 会社のパソコンにソフトを入れてよい … ブラウザで開いて使うもののうち「サーバーに送信しません」に当たる記述があるものに加えて、パソコンに入れて使うものも候補になる

これは絞り込みであって、安全の保証ではありません。
「送信しません」と書いてあっても、その会社の自己申告です。
仕様も規約も変わるので、絞り込んだ名前は次の手順で確かめます。

使ってよい道具かを確かめる

1. 開発元のページを確かめる

候補にする道具の名前を1つ決めます。
前の節の3つでも、「PDF 結合」で検索して出てきた別の名前でも構いません。
決めたら、その名前だけでもう一度検索します。

検索結果の上に出たページが公式サイトとは限らないので、開発元(会社名)が書かれているかを見ます。
書かれていなければ候補から外して、別の名前でやり直します。
同じ名前・似た名前の別のソフトがあることも、IPAが注意を呼びかけています。

開発元のページで、キーボードの Ctrl+F を押します。
画面に検索欄が出るので、「ネットワーク」「送信」「アップロード」「サーバー」の4語を1つずつ入れて探します。

2. 見つかった記述を読み分ける

見つかった記述読み取れること
「サーバーに送信しません」「ブラウザ内で完結」手元のパソコンの中で処理が終わる
「ネットワーク接続を必要としない」など、接続が要らないという記述(言い回しは会社ごとに違います)同じく、手元で終わる
「アップロード」「サーバーから削除されます」社外に出る
「安全」「暗号化」しか見つからない判断材料になりません(→ 食い違い2)

4語のどれも見つからない場合も、いちばん下の行と同じ扱いです。
読み取れないので会社の書類には使わず、別の名前で1をやり直します。

3. 社内の決まりを確認する

会社に決まりがあるか確認し、無ければ情報システム担当に、その名前を挙げて使ってよいか聞きます。

確認が取れなければ、その日は自分の判断で入れないほうが安全です。

今日中に間に合わないとき

社内に使ってよい道具が無く、確認も今日中に取れないなら、今日はまとまりません。
黙って待たずに、上司に次の2つを伝えます。

  1. 1つにまとめるのは、使ってよい道具の確認が取れてからになる
  2. 急ぐなら、書類を分けたまま複数のPDFで送ってよいか

分けて送ってよいと言われれば、その日のうちに終わります。

すでにオンラインのサービスに上げてしまったとき

  1. 何のファイルを、いつ、どのサイトに上げたかをメモする
  2. 社内の情報システム担当か上司に伝える
  3. そのサービスに履歴やアカウントがあるなら、そこから削除する

削除しても、相手のサーバーから消えたかは自分では確認できません。だから3で終わらせず、2を必ず行ってください。

同じ「どこで処理されるか」の判断は、紙の書類を文字にするときにも出てきます。
紙の書類の文字起こしはAIかOCRか

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