送った先で崩れるとき、最初に試すのはWordの設定1か所です。
文書で使っている書体(フォント)を、ファイルの中に一緒に入れて持たせる設定です。
相手のパソコンに同じ書体が入っていなくても、見た目が変わらなくなります。
結論:[ファイルにフォントを埋め込む]にチェックを入れて保存し直す
今すぐやること
- 崩れると言われたファイルを、フォルダを開く画面(エクスプローラー)で右クリックし、[プロパティ]でいまのサイズを控える
- そのファイルをWordで開く
- [ファイル]→ ウィンドウの左下のほうにある[オプション]
- 左の列で[保存]を選ぶ
- [次の文書を共有するときに再現性を保つ]の右の一覧が、いま開いているファイルの名前になっているか見る
- [ファイルにフォントを埋め込む]にチェックを入れる
- [OK]を押して、Ctrl+S で上書き保存する
- Wordを閉じて、そのファイルをもう一度右クリックし、[プロパティ]でサイズを見る
うまくいっていれば、1で控えた数字より大きくなっています。
書体のデータがファイルの中に入ったからです。
サイズが変わっていなければ、入っていません。
その書体は埋め込めていません。
埋め込みが許可されていない書体のほか、[一般的なシステム フォントを埋め込まない]がオンだと共通の書体は対象から外れます。
下の「PDFにして送る」へ進んでください。
日本語の書体は文字数が多いぶん容量も大きく、ファイルが目に見えて重くなることがあります。
メールの添付の上限に引っかかったときも、PDFにするほうへ切り替えてください。
この設定はファイルごとに持ちます。別の文書を送るときは、その文書でもう一度やります。
チェックを外して保存し直せば元に戻ります。文書の中身は変わりません。
これで送り直して直ったなら、原因は「相手のパソコンにその書体が入っていなかったこと」でした。
この記事に出てくる言葉
- フォント(書体) … 文字の形。「MS明朝」「游ゴシック」のように名前が付いています
- 埋め込む … 使っている書体のデータを、文書ファイルの中に一緒に入れること。相手のパソコンに無くても同じ形で表示されます
- 置き換わる … 相手のパソコンに指定の書体が無いとき、Wordが別の書体で表示すること。文字の幅が変わるので、行の折り返しやページの切れ目もずれます
- クラウドフォント … Microsoftがネット越しに配っている書体。Microsoft 365を契約している人が使えます
原因の説明が4つに割れている
同じ症状に、ちがう答えが並んでいます。
どれも「これが原因」という書き方なので、読んでも自分に当てはまるものを選べません。
| 言われていること | この記事での扱い |
|---|---|
| 相手のOfficeで使える書体が違う。Officeを入れ直す | 使える書体が製品や契約で違うのは実際にあります。ただし入れ直しは、会社のパソコンでは自分で決められないことが多い操作です。原因が書体なら、入れ直さなくても上の設定で足ります |
| 環境が違えば崩れる。PDFで配る | 見た目をそろえる効き目は確実です。ただし相手は、送ったWord文書をそのままの形で直すことはできません |
| Wordのバージョンの差。古いほうを新しくする | バージョンの差で見た目が変わることはあります。ただし食い違っているのは二台の組み合わせなので、どちらを新しくするかは決まりません |
| 書体を埋め込む | 上の結論です。埋め込めない書体もあります |
4つのうち2つは、同じことを別の言い方で指しています。
相手のパソコンに、こちらが使った書体が入っていない、という一点です。
残る2つは、原因を突き止めるのをやめて、送り方を変えるか、環境をそろえるかを勧めています。
書体が入れ替わると、図の位置まで動く
書体が違えば、同じ文字でも幅が違います。
1行に入る文字数が変わり、行数が変わり、ページの切れ目が変わります。
図を段落に沿って置いていれば、その段落と一緒に図も動きます。
「文字が少し変わっただけ」で済まないのは、このためです。
文字の大きさが違って見えるのも、同じ大きさを指定していても、書体によって字面の大きさが違うからです。
こちらの画面では、指定した書体が手元にあるので何も起きません。
起きるのは、その書体を持っていないパソコンで開いたときです。
自分の画面で確かめようがないのは、このためです。
PDFにして送る
相手に編集してもらう必要がないなら、これがいちばん確実です。
PDFにする手順
- [ファイル]→[コピーを保存](一度も保存していないファイルなら[名前を付けて保存])
- [参照]を選んで、保存する場所を決める
- ファイルの種類の一覧から[PDF]を選ぶ
- [オプション]を押す
- [発行対象]が[文書]になっていることを確かめる([変更とコメントの内容を含む文書]だと、変更履歴やコメントも一緒に出ます)
- [フォントの埋め込みが不可能な場合はテキストをビットマップに変換する]にチェックを入れて[OK]
- [保存]を押す
6にチェックを入れておくと、ファイルに入れられない書体があっても、その部分は文字の画像として書き出されます。
入れずに書き出した場合、その書体は開いた側で別の書体に置き換わることがあります。
できたPDFを自分でも開いて、上から下まで見てください。
PDFはページの中の位置が固定されるので、ここで整っていれば、相手の画面でも同じ位置に出ます。
PDFにすると、相手は送ったWord文書をそのままの形では直せません。
WordでPDFを開くことはできますが、Wordが別の文書として開き直したものになります。
相手に修正してもらう用件なら、下の「相手に直してもらう必要があるとき」へ進んでください。
相手に直してもらう必要があるとき
PDFが使えず、埋め込みも効かなかった場合です。
残るのは、文書で使う書体の種類を減らすことです。
相手のパソコンに何が入っているかは、こちらからは見えません。
「この書体なら必ず大丈夫」と言える書体もありません。
できるのは、当てにしている書体の数を減らして、置き換わる場所を減らすことです。
見出しだけ別の書体、表の中だけ別の書体、という状態だと、そのうち1つでも相手に無ければ、そこだけ形が変わります。
書体を1つか2つにそろえておけば、崩れる場所もそのぶん減ります。
書体だけをまとめて入れ替える
先に[ファイル]→[名前を付けて保存]で別名のコピーを作り、そのコピーで行ってください。
- Ctrl+H を押して[検索と置換]を開く
- [オプション]を押して、隠れている項目を広げる
- [検索する文字列]の欄をクリックし、空のまま[書式]→[フォント]で、いま使っている書体を選んで[OK]
- [置換後の文字列]の欄をクリックし、空のまま[書式]→[フォント]で、そろえたい書体を選んで[OK]
- [すべて置換]を押す
文字は1文字も打ちません。
空のまま書式だけを指定するのが、この操作の要です。
3と4で選ぶ書体は、自分の文書で使っているものに読み替えてください。
どの書体を使っているか分からないときは、崩れている段落をクリックして、[ホーム]タブの書体の欄に出ている名前を見ます。
置換が終わったら、上から下までスクロールして、見出しや表の形が変わっていないか見てください。
変わっていたら Ctrl+Z で戻せます。
Officeを新しくすれば直るのか
新しくして直る場面はあります。
ただし直るのは、下に書く書体の側の食い違いがそろうときで、バージョンの差そのものではありません。
どちらを新しくするかは決まりませんし、どちらにしてもお金と手間がかかります。
バージョンの差で見た目が変わること自体は、実際にあります。
はっきり示されているのは、古い形式で保存したときに数式が画像に変わる、図が静止画になる、といった変換です。
ただしこれは保存した時点で起きるので、こちらの画面でも同じように変わります。
この変換は、「自分の画面では整っているのに相手だけ崩れる」の説明にはなりません。
書体の側には、契約による差があります。
Microsoftがネット越しに配っている書体(クラウドフォント)は、Microsoft 365を契約している人が使えるものです。
契約していない相手のパソコンには、その書体が無いことがあります。
ここは相手が契約を変えれば解決しますが、こちらが埋め込むかPDFにすれば、相手は何も変えずに済みます。
お金を使う前に、上の2つを試す順番になるのはこのためです。
送る前に、もう1つ見ておくこと
相手の画面に何が出るか分からないのは、見た目だけの話ではありません。
自分の画面から消したつもりの変更履歴やコメントが、相手の画面には出ていることがあります。
消し方と、送る直前の確かめ方は別の記事にまとめています。
Wordの変更履歴を消したつもりで送る前に|相手の画面には何が見えているか
確認した範囲
- Windows版のWordの画面の話です。Mac版やブラウザ版では、項目の名前や置かれている場所が違います
- [ファイルにフォントを埋め込む]が初めからオンかどうかは、環境によって違うことがあります
- 埋め込みが許可されているかは書体ごとに決まっていて、使う側から変えることはできません
- 相手のパソコンにどの書体が入っているかは、こちらからは分かりません。この記事のやり方は、どれも「相手のパソコンに何かが入っていること」を当てにしないためのものです


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