この記事に出てくる言葉
- 最後のセル … Excelが「このシートはここまで使われている」と覚えている位置。Ctrl と End を押すとそこへ飛ぶ
- 書式 … 色・罫線・文字の大きさ・表示形式など、見た目の設定。中身が空でも残る
- [すべてクリア] … 選んだ範囲の中身と書式をまとめて消す操作。Deleteキーは中身だけを消す
結論:消したあと、いったん閉じて開き直す
今すぐやること
この手順はセルの中身を消します。
上書き保存してファイルを閉じたあとは、Ctrl と Z では戻せません。
先に[ファイル]→[名前を付けて保存]で、別の名前のコピーを作ってください。
消してよいのは、シートの中で最後に使っている行より下と、最後に使っている列より右だけです。
表の下や右に、集計やメモを置いていないかを先に見てください。
選んだ範囲に残したい中身が1つでも入っていたら、そこで止めて選び直します。
- Ctrl と End を押します。飛んだ先の行番号と列番号を、両方とも控えます
- 控えた行番号が表の最後の行より下なら、手順3から5で行を片づけます。表の最後の行と同じ番号なら、行は片づいているので手順6へ進みます
- 表の下にある最初の空の行の、左端の行番号をクリックし、Ctrl と Shift と End を押します。そこから下がまとめて選ばれます
- 選ばれた範囲に、残しておきたい中身が入っていないことを確かめます
- [ホーム]タブの[編集]にある[クリア]の矢印を押し、[すべてクリア]を選びます
- 控えた列番号が表の最後の列より右なら、手順7で列を片づけます。表の最後の列と同じなら、列は片づいているので手順8へ進みます
- 表の右にある最初の空の列の、上端の列番号をクリックし、Ctrl と Shift と End を押します。そこから右がまとめて選ばれるので、手順4と手順5を同じようにやります
- 上書き保存して、ファイルをいったん閉じます
- もう一度開いて Ctrl と End を押します。表の右下に飛べば直っています
手順9まで済ませて、はじめて終わりです。
すでに不要な行を消して上書き保存したのに変わらなかったなら、手順8と手順9だけを先に試してください。
それで飛び先が表の右下に来れば、消す作業のほうはもう済んでいます。
手順1の時点で表の右下に飛んだ場合は、最後のセルの位置は正しい状態です。
重さの原因は別にあるので、後半の「最後のセルが戻っても軽くならないとき」へ進んでください。
| いま起きていること | 進む先 |
|---|---|
| 開き直しても、飛び先が遠いまま | 開き直しても変わらないとき |
| 飛び先は戻ったのに、まだ重い | 最後のセルが戻っても軽くならないとき |
| ファイルが開かない、エラーが出る | この記事では扱っていません |
同じ状態は印刷にも出ます。
ページ数が何十枚にもなって白紙が続くときは、Excelを印刷すると右が切れる・勝手に何枚にも分かれるとき にプレビューの見方からまとめてあります。
上書き保存のあとに、もう2つ手順がある
この症状の直し方を説明した日本語の記事には、不要な行や書式を消して上書き保存するところで終わっているものがあります。
保存が要るのは確かです。
ただ、保存しただけでは飛び先が変わらないことがあります。
Microsoftのサポートページは、そのあとに2つの手順を足しています。
ワークシートを閉じること。
そして、ブックを再度開くと、データの最後のセルがワークシートの最後のセルになる、と書かれています。
| 見かける説明 | どこまで当てはまるか |
|---|---|
| 消して上書き保存すれば直る | 保存は要る。飛び先が変わるのは開き直したあとのことがある |
| Deleteキーで消せばよい | 中身は消えるが書式は残る。公式が示しているのは[すべてクリア] |
| [すべてクリア]が要る | クリアも要る。それでも保存と開き直しが要る |
2018年に投稿された質問には、行を消して上書き保存し、[すべてクリア]も試したうえで、それでも最後のセルが最終行のままだった、という報告があります。
どちらの操作も間違っていません。
ただ、やりとりの中に、閉じて開き直す手順は出てきません。
空に見える行に、何が残っているのか
Microsoftは、ブックを保存するとき、Excelは各ワークシートのデータまたは書式設定が含まれている部分だけを保存する、と説明しています。
裏を返すと、中身が空でも書式が残っていれば、そこまでが保存されます。
残りやすいのは、こういうものです。
- 行全体や列全体に付けた色・罫線
- 日付や通貨などの表示形式
- 結果が空白になる数式
- ほかのファイルやWebページから貼り付けたときに、一緒に付いてきた書式
Deleteキーは中身だけを消します。
書式はそのまま残るので、飛び先も変わりません。
公式の手順が[すべてクリア]になっているのは、ここが理由と考えられます。
開き直しても変わらないとき
ほかのシートを見ます。
Ctrl と End は、いま開いているシートの中を見る操作です。
ブック全体が重いなら、シートの数だけ同じことをします。
選ぶところを間違えていないか見ます。
手順3でクリックするのは、セルではなく左端の行番号です。
セルを選んだ状態で Ctrl と Shift と End を押すと、そのセルから右下までしか選ばれません。
保存の順番を見ます。
クリアしたあとに上書き保存し、それから閉じます。
閉じるときに保存するかどうかを聞かれて[保存しない]を押していると、消した結果は残っていません。
行と列の両方をやったか見ます。
手順7の列のほうを飛ばすと、列だけが遠いまま残ります。
開き直して Ctrl と End を押したとき、行番号は表の最終行なのに列番号だけが右に外れているなら、列の片づけが済んでいません。
最後のセルが戻っても軽くならないとき
Microsoftは、ブックが重くなる原因を、過剰な書式・未使用のスタイル・図形・条件付き書式の順に挙げています。
最後のセルを直すのは、このうち1つ目への対処にあたります。
図形が積み重なっていることがあります。
[ホーム]タブの[編集]にある[検索と選択]を押すと、シートにある図形を一覧で出す項目があります。
名前は版によって違い、[オブジェクトの選択と表示]または[選択ウィンドウ]と出ます。
一覧では目のマークで表示と非表示を切り替えられます。
消す前に、[ファイル]→[名前を付けて保存]でコピーを作ってください。
グラフや写真も図形として並ぶので、心当たりのあるものまで消さないように、目のマークで一つずつ確かめてから消します。
Webページから貼り付けたときに、気づかないまま入っていることがあります。
条件付き書式が壊れている場合があります。
Microsoftは、試しに消して確かめる手順を案内しています。
先にファイルのコピーを保存し、[ホーム]タブの[条件付き書式]→[ルールのクリア]→[シート全体からルールをクリア]を押します。
別の名前で保存して、軽くなるかどうかを見ます。
軽くなったなら、原因はここです。元のファイルで同じように消してから、必要なルールを付け直します。
列をまるごと指した数式が入っていることがあります。
「D列からM列まで」のように列全体を指す書き方は、104万行ぶんを計算の対象にします。
Microsoftは、この点は新しい版で改善されているとしています。
古い版を使っていて数式が多いなら、実際に使っている範囲だけを指す形に直します。
買う前に確かめること
ファイルは開ける。
中身も正しく表示されている。
Ctrl と End の飛び先だけが遠い。
この3つがそろっているなら、ファイルが壊れているわけではありません。
Excelが、書式の残っている場所までを覚えているだけです。
ここまでの操作は、どれもExcelに最初から入っている機能で片づきます。
Microsoft自身も、不要な書式をまとめて消す機能を用意しています。
ただし使えるのは Microsoft 365 Apps for enterprise とそれに相当する版で、どの契約でも出てくるものではありません。
しかもMicrosoftは、実行する前にバックアップを作るよう案内したうえで、場合によってはこの処理でファイルサイズが増大して変更を元に戻せなくなる、と書いています。
まとめて処理する道具に任せるほど安全になる、とは限りません。
確認範囲
- Windows版のExcelの話です。Mac版とブラウザ版は、画面の並びが違います
- ボタンの名前は、リボンにタブが並んでいる版のものです。古い版では名前が違うことがあります
- [すべてクリア]は、選んだ範囲の中身・書式・コメントをまとめて消します。押した直後なら Ctrl と Z で戻せますが、上書き保存して閉じたあとは戻せません
- 図形の一覧を開く項目の名前は、版によって違います
- ファイルが開かない、開くときにエラーが出る場合は、ここで扱っている状態とは別です

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